2010年『Real FantASIA』展まとめ


PV映像,音楽:TaKU


『Real FantASIA』武盾一郎

期間:2010年7月9日(金)〜7月18(日)※12日(月)休
場所:gallery TEN


■gallery TEN 3周年記念+Opening Party
2010年7月10日(土)17:30〜19:30

武盾一郎アーティスト活動歴15年目の初個展『リアル・ファンタジア』


アーティスト活動の始まりは、場所は路上、素材はペンキと筆、支持体は路上に暮らす人たちの家・段ボールハウス、複数人での制作、『新宿西口地下道・段ボールハウス・ペインティング』でした。
15年経過したいま、場所はギャラリー、素材はボールペン、支持体は紙、初の個展『Real FantASIA』を開催致します。


埼玉県上尾市に暮らし、時折都内に出掛ける生活で見かける風景たちがあります。
草花や木々、住宅、電線、小さな神社、ふと見上げた雲、夕焼け、都内より広い夜空。


電車に乗って出かける時なんかの窓の向こうを流れる建物、ちょっとした緑、遠くの空。


それら日常にあるちょっとした印象たちの
曖昧な記憶たちをちりばめながら


星と草花がなんとなく同じ場所にあるような
僕なりの宇宙観を表した曼荼羅のような


いつも漫然とある途方も無い懐かしさ
向こう側に辿り着けないもどかしさ


星空を眺めた時のなんとも言えない不思議な感じ
哀しくて切ないけどなんだかホッとしてワクワクするような
複雑で豊かなあの気持ちを織りまぜるように


小さな粒々たち
命のような霊のようなものが
儚げに、またはしたたかに、無数に息づいて
宇宙を形成しているような、そんな風景画です。


絵とはファンタジーそのもの。
ファンタジーとはヒリヒリと現実をリアルに感じるからこそ見えてくる世界の別角度からの真実であると思うのです。


そんな思いもあり、展覧会のタイトルを「Real FantASIA」としました。
どうぞ楽しんでご覧ください。


Press Releaseより


2010年7月8日:搬入






(写真:山根康弘

2010年7月10日:オープニング・パーティー







(写真:山根康弘

2010年7月9日〜18日:展示期間中


2010年7月13日(火)『Real FantASIA』ギャラリーTEN 名刺サイズドローイング描いてます。


2010年7月14日(水)右は三枝三七子さんとのコラボレーション


2010年7月15日(木)『Real FantASIA』@ギャラリーTEN。名刺サイズドローイングはお値段自由、投げ銭です。とっぱらいなのでこの売上げが日々のしのぎになっております。



2010年7月15日(木)『Real FantASIA』@ギャラリーTEN。SWAMP PUBLICATIONのアーティストブッックも展示しました!



2010年7月15日(木)『Real FantASIA』@ギャラリーTEN。右手前はハガキサイズドローイング:1点二千円。宛先面に描いてる封筒ドローイング:1点二千五百円。これもとっぱらいですので是非買って下さい!



2010.7.16(金)ご祝儀と沢山のお酒の差入れ有り難うございます!感謝をこめてしっかりと呑んでおります。


GrowHair Kebayashi > Real FantASIA


武盾一郎初個展『リアル・ファンタジア』2010.7.18 gallery TEN② 写真とベルクのあいだで

個展を終えて

個展が終わって一ヶ月経ちました。もはや遠い昔の事のように感じますが、自分にとって節目となるような経験でした。


ギャラリーTENでの個展のきっかけは、救援連絡センターの宇賀神寿一さんからの1本の電話でした。


絵を描くホームレスの人たちのグループ展の打合せに声をかけて頂いたのです。 最初の打合せは2009年1月28日、グループ展のお手伝いとして打合せに出向いたのですが、ギャラリーオーナーの松橋博さんにドローイングを見て頂いたところ「個展をやりましょう」という運びになりました。


ちょうどB1くらいの大きいサイズのドローイングを制作していくところだったので、それらをまとめて展示できそうな1年半くらい先を見て、2010年7月を個展開催予定としました。
大きいサイズは毎日コツコツと描いて1作品に1ヶ月はかかります。淡々とした制作の日々を過ごせたので、展示直前にバタバタとすることはさほどなく、日常生活の延長線のように個展を向かえることができました。


期間中は全日ギャラリーに通い、来場された方々と話し、小サイズドローイングを制作していました。慌ただしくも着々と毎日の仕事をこなしていく感じで9日の個展期間を過ごせました。
搬出が終わったら15年分のエネルギーを使い果たしたかのようにグッタリしてしまうかと思いましたが割と元気でした。 ただ、すぐさま新作に取り掛かるという感じではなく、制作を通した付き合いとは違う時間を過ごしたりしています。


24時間365日芸術家であれ、とやってきたのですが別にそう気負わなくてもいいことを発見したような気がします。


個展では平面(紙、パネル、キャンパス)の上のドローイングでした。 そもそもは段ボールハウスに象徴される「生活、生命、祈りの営み」に直接描くことが僕の絵の出発点です。これからはそういった所にも原点回帰のように描いて行くでしょう。 そして「どこか不思議な感じ」のする絵世界を描き続けて行きたいと思っております。


今後ともどうか応援よろしくお願い致します。


2010年08月31日 武盾一郎


個展『Real FantASIA』より